私が22年のデザイナー人生でたどり着いた、「伝わるデザイン」に本当に必要な、たった一つのこと

「伝わるデザインを作りたい!」そう思ったとき、あなたは何から学びますか?

おしゃれな配色、読みやすいフォント、惹きつけられるレイアウト…。本屋さんやインターネットには、たくさんのテクニックが溢れていますよね。Canva公式クリエイター・Canvassadorとして活動し、多くの方にデザインをお教えする中でも、「どのテクニックが一番重要ですか?」とよく質問をいただきます。

もちろん、それら一つひとつが大切な要素であることは間違いありません。でも、22年間デザイナーとして活動し、数えきれないほどの試行錯誤を繰り返してきた今、自信を持って言えることがあります。

実は、そうした小手先のテクニックよりも、もっともっと根本的で、本当に大切なことが、たった一つだけあるんです。

今日は、そんなお話を少しだけさせてください。

「綺麗」なデザインの罠にハマっていた私

今でこそデザイナーとしてお仕事をさせていただいていますが、駆け出しの頃は失敗ばかりでした。当時の私は、「デザイナーたるもの、綺麗で洗練されたものを作らなくては!」と息巻いていたんです。

とにかく見た目を重視して、自分が「綺麗」だと思うデザインばかりを作っていました。でも、クライアントさんに見せると、決まって困ったような顔でこう言われるんです。

「うーん…綺麗なんだけど、何が言いたいのか、よくわからないかな…」

当時の私は、その言葉の意味が理解できませんでした。「こんなに綺麗に作っているのに、なぜ伝わらないんだろう?」と、自分のセンスが否定されたように感じて、落ち込むことも少なくありませんでした。あなたも、こんな経験はありませんか? 良かれと思って作ったものが、なぜか相手に響かない。そんなもどかしさを感じてしまうこと。

デザインとは「翻訳」作業。そのことに気づかせてくれた出会い

そんな私の転機となったのは、ある小さなアンテナショップのデザインを丸ごとお任せいただいた時のことでした。 そこにいるのは、デザインの知識など全くない、ごく普通のお店の方々。私が作ったチラシを見て、彼らはこう言ったんです。

「倉田さん、この英語の文字、なんて書いてあるの?」

「この写真、素敵だけど、何のイベントかパッと見てわからないよ」

ハッとしました。私は、自分の「綺麗」を押し付けるあまり、一番大切なことを見失っていたんです。それは、「誰に、何を伝えたいのか」という視点でした。

そのお店に来るお客様が知りたいのは、デザイナーである私の自己満足ではありません。次にどんな美味しいものが入荷するのか、どんな楽しいイベントがあるのか、という情報です。

その日から、私の仕事への向き合い方は180度変わりました。デザインとは、クライアントさんの「伝えたい想」を、お客様に「伝わる言葉や形」へと翻訳してあげる、通訳のような仕事なんだ、と。

「伝わるデザイン」に必要な、たった一つのこと

もうお分かりかもしれませんね。

私が22年のデザイナー人生でたどり着いた、「伝わるデザイン」に本当に必要な、たった一つのこと。

それは、「画面の向こう側にいる、たった一人への『思いやり』」です。

難しく考える必要はありません。あなたがデザインを作る時、その先にいる人の顔を思い浮かべてみてください。

  • このチラシを見る人は、どんな言葉ならワクワクしてくれるかな?
  • このSNS投稿を見る人は、何色を使ったら「楽しそう!」と感じてくれるかな?
  • この資料を読む人は、どんな順番で説明したら、スッと頭に入ってくるかな?

そうやって、相手の気持ちを想像し、どうすればその人が心地よく情報を受け取れるかを考えること。それこそが、あらゆるデザインテクニックの土台となる、最も重要な心構えなんです。

あなたのデザインは、誰かを想う「ラブレター」

私は、デザインは「ラブレター」に似ていると思っています。

好きな人に手紙を書くとき、どんな言葉を選んだら気持ちが伝わるか、どんな便箋なら喜んでくれるか、一生懸命考えますよね。デザインも、それと全く同じです。

届けたい相手を想い、心を込めて作る。

そうすれば、たとえ少しレイアウトが崩れていても、プロが使うような複雑なテクニックを使っていなくても、そのデザインは必ず相手の心に「伝わる」ものになります。

「センスがないから…」なんて、もう思わなくて大丈夫。あなたの中には、誰かを想う「思いやり」という、何よりも素敵なデザインの才能が眠っているのですから。

まとめ:テクニックは「思いやり」を届けるための道具

この記事でお伝えしたかった、大切なことを振り返りますね。

  • 「伝わるデザイン」の土台は、小手先のテクニックではない
  • 本当に必要なのは、受け手に対するたった一つの「思いやり」
  • 相手の気持ちを想像することが、最高のデザインを生み出す
  • あなたの中にも、素晴らしいデザインの才能が眠っている

もちろん、配色やフォントの知識があれば、その「思いやり」を、より効果的に、より美しく相手に届けることができます。それらのテクニックは、あなたの温かい気持ちを運んでくれる、便利な「道具」なんです。

もしあなたが、「私も、自分の『思いやり』を形にする道具の使い方を学んでみたい!」と感じてくださったなら、私が監修する動画講座「デザインクエスト」が、きっとあなたの冒険の役に立つはずです。

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